僕の好きな人はレズビアン~僕が彼女と友達になるまでの記録①~




●僕の元カノは女の子が好きな綺麗な女性だった

正直僕は、彼女の見た目に惚れた。

顔が小さく、身長160センチ、細身の彼女は実際より背の高く見えるスタイルの良い人だった。顔は普通だったけど(自分にとっては綺麗)、スタイルの良さとシンプルで上品な服の着こなしから、本当に綺麗な人だな、と一目惚れに近い形で好きになった。

 

 

僕たちの職業は塾講師。彼女とは同期だった。大学時代から個別指導でアルバイトをしていて、そのまま迷いなく教育業界に就職した。

ちょっと大きな学習塾だったので、研修の時間がたくさんあって自然と彼女と仲良くなった。

 

●初めて自分から告白したのは入社1ヶ月経ったころだった。

 

同期5人でご飯を食べに行くことになった。みんなで盛り上がったし彼女とお酒を飲めることで舞い上がってしまった。飲み会は2次会で終わり、うまく2人になれた。

そして、発情期でもないのに一ノ瀬さんを抱きしめたい願望が止まらなくなり抑えられなくなって、好きだと衝動的に言葉に出てしまった。

2人は言葉で確認するまでもなくホテルへ…そして、ヤった。

「先生がそんなことでいいんですか?」

いいんです。僕は本当に有頂天で毎日仕事に行くのが楽しかった。女とホテルに行ったんじゃない。好きな女性と行ったのだ。

 

●彼女からの告白

 

そんな関係になってしまったけれど、彼女は何事もなかったように振舞っていた。正式に付き合いたいという気持ちはあったけれど、なんか嫌な予感もあった。「振られる。」

彼女はビッチじゃない、彼女も自分のことが好きでそういうことになったんだ、何度もそう言い聞かせた。浮かれていたけれど不安でもあった。

ホテルの日から2週間。なんの変化もない僕たちの関係に「恋人」という名前を付けたいと僕は休みの日にデートに誘った。終始楽しいやり取りが続き、傍から見たら僕たちは恋人同士だった。そして帰り際、付き合って欲しいと伝えた。

 

・・・アハハ本当に振られちゃったよ

 

動揺して言葉ははっきり覚えてないけれど「私はレズビアンで、最近彼女に振られてその場しのぎでそうなった」と。

 

「そっか・・・なんかごめん」

僕は悪いことをしたような、でも腑に落ちない気持ちで帰った。

「レズビアンは男と寝ることができるのか?」

そんなことを思いながら彼女の体を思い出した。

好きだ、好きだ、好きだと思いながら、何度もヤってしまった。

驚いたのは彼女の元恋人は同期の松川さんだった・・・。松川さんはレズビアンではなく今は彼氏がいるらしい。

一体どうなってるんだよ。。。

 

●女になりたい・・・

クソレズと心では呼びながら、彼女のことが忘れられない日々が続いた。彼女は彼女で松川さんのことがまだ好きだった。一緒に食事をするほどには普通に接することができるようになっても、食事のあと新宿2丁目に消えていく彼女を複雑な気持ちで見送っていた。

彼女がさらに輝く・・・夜の方向に消えていく、別れ際に。

完全に僕とのことは忘れている。

レズビアンって何なんだ・・・振られた時からの後遺症がまだ残っている。

おかしいって思われるのは分かってても、フッと思うんだよね。

「女になりたい・・・」

最初から恋愛対象外って辛いな、僕は初めての経験にだいぶ参っていた。

つづく。

 




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