恋愛コラム③ 45歳フレフレ!みぽりん!




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今からお伝えするエピソードには45歳と35歳と22歳の人が出てきます。
登場人物は2人です。

 

①45歳
45歳の彼女は私の同僚でデスクも隣り同士です。
彼女のことを手っ取り早く理解してもらうなら、
45歳だけどカラコン入れてて、パンツ見えそうなミニスカート履いてて、プチをちょっと踏み越えた整形をしてて、バツ1で子どもが3人いる・・ということをお伝えするべきでしょう。
え?余計分からなくなった?
ならば、髪の根元は白髪ボーボーであることも付け加えておきましょう。

 

ちなみに3人の子どもは元夫が養育しており、そのほうがいいよとわたしも激しくうなづきます。

 

彼女とわたしの付き合いは約3年で、つまり彼女がうちの会社に入社してきて3年と言うことになります。
一応わたしは彼女にとって、大体ひと周り年下の上司ということになります。

 

彼女(以下みぽりん)は、以前堂々と言いました。
「わたしぃ、昭和60年以降生まれの男子にしか興味がないんだよね」
あんまりにも堂々と言うので、なんかいいこと言ったのかと思いました。

そう、みぽりんは若い男の子が好きなのです。

 

お気づきかお気づきじゃないか分かりませんか、みぽりんはあんまり仕事ができません。
ただ時折、B型特有のぶっ飛んだ言動で、周りを和ませてくれる存在です。

 

 

入社当時のみぽりんは今とは全然違ってて、パンツスタイルだし、年相応の化粧、風体でした。
ただ当時から発言はちょっと可笑しくて、わたしは初日で彼女はB型だと確信しました。

ちなみにわたしもB型ですが、陰性のほうです。

 

みぽりんに何かよく分からんスイッチが入ったのは癌の告知を受けてからだと思います。

 

 

②35歳
35歳と偽った45歳のみぽりんは若い男の子をとっかえひっかえし始めました。
みぽりんはちゃんとすれば、それなりに見える素材なので、とっかえひっかえし得るのです。

それにしても35歳は無理があるんじゃ・・と思うんですが、「35歳だ」と言ってる女性に、
「嘘つけ!」と指差し叫ぶのも大人気ない話です。きっと若い男の子たちも空気読んでんでしょう。

みぽりんの恋の結末はいつも同じパターンです。
それなりに見えるみぽりんに若い性欲炸裂⇒行為のあと、冷静になった男子「明らか年ごまかしてるおばさんとなんかめんどくさい事になっちまったな」

あとは、男性陣が「お別れ」という共通のラストシーンに向ってそれぞれの個性に応じた様々なシナリオを練り始めることになりますが、
みぽりんの恋はむしろここからが本番です。

みぽりんは悲劇の主人公となって、「別れよう」「別れたくない」「もう会わない」「そんなのやだ」の世界に存分に浸りきるのです。
随分戯画的に語ってしまいましたが、みぽりんはいつも真剣です。それなりに。

 

なので、「とっかえひっかえ」という表現は正確ではないですし、みぽりんに対してあまりに愛のない言い方です。訂正します。

以後「傍から見てると結果的にとっかえひっかえしている様に見える」に改めます。

 

 

③22歳
変わった人は変わった人を引き寄せるのでしょうか。
何人もの年下の彼氏との別れを繰り返したのち、みぽりんは22歳の大学生と知り合いました。
みぽりんの出会いの場は基本的に出会い系サイトです。

みぽりんは学歴フェチなところがあって、基本的に高学歴男子を主食としています。
22歳の彼もそうです。

彼がこれまでのみぽりんの彼氏と画期的に違うところは、「別れよう」「別れたくない」「もう会わない」「そんなのやだ」の世界から、
もう一度ヨリを戻したという事です。黄泉返りです。
付き合っている期間も長く半年を越えようとしています。

 

 

彼にはどうやら虚言癖があるらしく、通っていたという学校に実際には通っていなかった事が彼の同級生の発言から分かったり、みぽりんと別れ話になったときは、経済的な問題で親の決めた許嫁と結婚しなければならないと言っていたそうです。

なかなか独創的な彼ですが、もちろんみぽりんはすべてを信じています。

彼とみぽりんのデートは聞いてるほうが切なくて、食事代、ホテル代など、すべてみぽりん持ち、
彼の都合の良い場所に呼ばれ、勉強している彼の側で手持ち無沙汰でいる時間も多いようです。

それでもみぽりんは幸せです。なんなら有頂天です。
みぽりんがただの好きものでないのは、彼氏がいる時期に他の異性となにかいたしたりは決してしないことでも明らかです。
みぽりんはいつも真剣なんです。年はごまかしてるけど、それなりに。

 

全くの想像ですが、彼は何か屈託を抱えているように思います。
自分が認められていないというような苛立ちでしょうか。あるいは若さゆえのもっと方向を持たない鬱屈した感情かも知れません。

みぽりんはそのすべてを信じ、受けとめてあげているのだと思います。

正直、彼とみぽりんの行く末は見えません。
だけど、彼がひと時癒しを求め、必要とされていると感じることでみぽりんの顔がほころぶのなら、
別に誰かがそれ以上を求めるいわれはないのです。

彼女の癌はごく早期だったと云い、手術はしたものの、実際ごく短期間で仕事に復帰しました。
その後、約2年経ちますが、傍目には元気そうに見えます。
時々欠勤が続く時期もありますが、病状については、さすがに気軽に聞ける話ではなく、現在の状況は詳しくは知りません。

 

今日も有頂天なみぽりんはパンツ見えそうなスカートで笑います。
みぽりんのあまりにちゃらんぽらんな仕事っぷりに時々腹を立てながら、わたしはこの笑顔が少しでも長く続いてほしいと思うのです。




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